手網焙煎入門〜家でサードウェーブコーヒーを再現する方法〜(時間と分量のコツ)

手網を使ったコーヒーの自家焙煎にハマること1年。
やっと最近、これは!まさに!と思える味が外さずに作れるようになって来たので、
これまで何度か書いた、家庭用コンロを使ったコーヒー豆の手網焙煎方法を
今回またもやバージョンアップさせたいと思います。
そろそろサードウェーブコーヒーという言葉も死語になる頃かと思いますが、
本日は自家焙煎でサードウェーブ的な浅煎りコーヒーを作っちゃう方法をご紹介。
コンロと手網と生豆さえあればビックリするほど美味しいコーヒーが飲めてしまう、
手網焙煎入門です。
コーヒー手網焙煎に必要な材料

- 銀杏を煎る用の手網
- コーヒー生豆(1回の焙煎で180〜230gくらい用意)
- ざる
- 軍手
- 冷却用のうちわか扇風機
- 網のフタをとめるクリップ
- コンロの周りに敷くアルミホイル
とりあえず必要なのはこれだけです。
手網はちょっとカスタマイズします

手網は色んな種類のやつを試しましたが、
結論から言うと上記の丸型ギンナン煎り網が最強です。
軽くて持ちやすくて壊れにくくて豆を撹拌しやすくて、しかも値段も安い。
この網の側面をボコボコにへこませるというカスタマイズを施しています。
ボコボコすることの利点は、網をぐるぐる回しても撹拌出来るので腕が疲れないのと、
豆の撹拌率がよくなって焼きムラが少なくなることです。
網の表面にアルミホイルをかぶせてダンパーにするという手法も試しましたが、
最終的にはアルミホイルは使わない手法で落ち着きました。
アルミホイルはコンロの周りに敷いて掃除をラクチンにする為に使います。
コーヒー生豆はいいやつを用意するのがポイント

コーヒーの美味しさはもうほとんど生豆の品質で決まってきます。
なので、できるだけ良い生豆を用意するのがポイントです。
気合いでカップオブエクセレンス入賞豆を買っちゃいましょう。
1kgで3000円〜くらいです。ということはコーヒー1杯分で約30円です。安い!
生豆が買える通販サイトは前に記事にしたのでそちらを参考にどうぞ。
今や、生豆はアマゾンでも、楽天でも買えます。
コーヒー生豆の通販サイト7選 >
ちなみに焙煎の初期段階の処理がすでに済んでて(ゴミが少ない)、
簡単に手網焙煎できる「白煎り豆」というのも売ってます。
手網焙煎の手順
まずはザックリと全体像を。
- 生豆をお湯で洗う
- 網に入れて遠火で水抜き(蒸らし)
- 近火で本格焙煎
- 冷却&欠点豆の除去
- 美味しく飲む
という感じです。単純ですね。
以下、ステップごとに詳しく解説します。
1)生豆をお湯で洗う

豆はまずお湯で洗います。ザルに入れてガッガッとこすり洗いです。
ポイントは水じゃなくて熱いお湯です。味が違ってきます。
野菜もお湯で洗う方がおいしくなるので一緒ですね。
1分くらいジャバジャバと洗ったら、キッチンペーパーで水分を取ります。
その時にモミモミすると薄皮が綺麗にとれます。
これで薄皮がだいぶ少なくなるので、焙煎中に飛び散るのを防げます。
これやっとかないと後でキッチン掃除で死ぬことになります。
ちなみに、豆の量は1回で200gくらいがいいと思います。
50gとか100gだと少なすぎて、美味しくなりません。
豆同士の熱も重要なので、ある程度多い方がいいと思います。
ただそれ以上になると焼きムラが出来まくるし、腕ツリそうになるので、
200g前後(出来上がり170g前後)って感じでしょうか。
200gパック×5品種の生豆セットとか売ってるので、
こういうの使って練習すると便利です。
2)網に入れて遠火で水抜き(蒸らし)

コンロの火力は最初から最後まで全開マックスの強火です。
換気扇もマックス。
手網と炎の距離感だけで熱量を調整します。
手網焙煎は直火で焼くんじゃなくて、熱で焙煎します。
アルミホイルを敷いておくと後で掃除がラクチンです。

最初は生豆の水分をしっかり抜く作業です。いわゆる蒸らしの行程です。
今回はサードウェーブ的な浅煎り〜中煎りコーヒーにしたいので、
この作業の時間を長めに取ります。ここが一番のポイントです。
遠火で網をフリフリして、水分をきっちり抜いていきます。
水分の抜きが甘いと、生臭い感じのコーヒーが出来上がってしまいます。
炎の先端から30cmくらい離して、軽くフリフリし続けます。まずは3分。
最初は重くて豆もあんまり網の中で動かないけど、
3分くらいすると水分が抜けて軽くなってくるので、網の中でグルグル動き出します。
音もジャッジャっていう鈍い音から、シャカシャカーっていう軽い音に変わります。
そしてここからさらに3分。
だんだん豆の色が白っぽくなってきます。
この辺で薄皮がたくさん剥がれ出すので、網を激しくふったりして薄皮を落とします。
少しだけ網を炎に近づけて、さらにしつこく2〜3分。
豆の色がシナモン色になってきます。
臭いも最初の生臭い感じから香ばしい良いにおいに変わってきます。
3)近火にして本格焙煎

この辺から炎にぐっと近づけて(でも火には直接当たらないように)、
さらに網を激しく前後左右グルグルと振りまくって、本格的に焙煎していきます。
しばらくすると、「バチバチッ!」という激しく破裂する音がします。これが1ハゼ。
生豆から焙煎豆になる一番最初の合図です。
バチバチはコーヒー豆の産地や種類や量や火加減にもよりますけど、
だいたい2分くらい続くと思います。
良い豆で良い焙煎が出来てる時ほど、バチバチが一気に集中して炸裂します。
その間はめちゃくちゃ激しく網を振り続けます。
バチバチがやんだ時点で焙煎を終了すると浅煎りコーヒーの出来上がりです。
手網焙煎の場合はもう少し焙煎を進めないと、味に渋いのが残りがちです。
なので、ここから30秒〜1分くらい少しだけ遠火にして焙煎を続けます。
ここのさじ加減で味が決まっていくのですが、
こればっかりは慣れと好みの問題なので、
何回もやって程よいポイントを見つけるしかありません。
しわの伸び具合、焼き色、香りをじっくり見ながらここだ!というところで火を止めます。
あまりここの時間を長く取りすぎると、次の2ハゼが始まってしまいます。
細かい「ピチピチピチッ」っていう音が2ハゼです。
2ハゼは深煎りのスタートの合図です。
もちろん深煎りが好きな人はここまで焙煎を進めるのですが、
今回はサードウェーブ的浅煎りコーヒーの作り方なので、この手前で煎り止めです。
4)冷却&欠点豆の除去

ここだ!というポイントで火を止めたら、
ザルにひろげて団扇か扇風機で一気に冷やします。
のんびりやってたらダメです。どんどん焙煎が進んじゃうので。
一気に冷ますと風味が良くて、長持ちするコーヒー豆が出来上がる、という噂です。
手で触っても大丈夫なくらいに冷めたら、
欠けてる豆、焼けてない豆、変な形をした豆等を取り除きます。
これをちゃんとやらないと美味しいコーヒーは飲めません。
ダメな豆を取り除いたら、ざるに広げたまま丸1日置いておいて、
ガスが抜けるのを待ちます。
1日経ったら、ガラス瓶とか密封出来る保存容器に入れます。
これで手網焙煎コーヒーの完成!
5)美味しく飲む

手網焙煎のコーヒー豆は、だいたい3日目くらいから美味しく飲めます。
もちろん焙煎したての激しい感じのやつを楽しむのも手網焙煎ならではです。
3日目から10日目くらいまで日に日に味が変化していくので、
それを楽しむというのがなかなかオツです。
2週間とか経つと美味しさは激減するので、なるべく早く飲んでしまう方が良いです。
お気に入りのコーヒー屋さんの豆と比べながら飲む、というのもまた楽しいです。
全然違うわ〜ってなったり、自分ので作った方が美味しい!ってなったり、
どうやったらこのテイストが作れるんだろ?って勉強になったり。
毎月3種類の豆が届く「PostCoffee
」もおすすめです。
まとめ
と言う感じで、家庭用コンロでサードウェーブコーヒーを再現する方法でした。
美味しい豆が自分で作れるようになれば、
いつでも家で美味しいコーヒーが飲めて楽しいです。
しかも断然に安上がり!
もっと良いやり方あるぜ!というコツを知っている方がいたらぜひこっそり教えてください。
この本もとっても参考になりますよ!
【追記:2016年9月28日】
もっと手軽なフライパン焙煎にも挑戦してみました!
【さらに追記:2018年2月23日】
手網焙煎の網を小さめのに変えた簡単にできるやり方を書きました。→自家焙煎コーヒーの作り方〜自宅のコンロで手網焙煎を楽しむ方法〜
【さらに追記:2019年5月30日】
電動にステップアップしました。→家庭用小型コーヒー焙煎機「カルディーコーヒーロースター(KALDI Coffee Roaster)」を買いました!
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