不可逆だから面白い

昨今はだいたいなんでもリセットボタンというか、
失敗したら元に戻れる的な体験が多いですよね。

パソコンやスマホを使ったエンタメ、創作、仕事。
ひとつ前に戻るは当たり前。
ダメなら全削除で新規作成。
一旦保存しておいて続きはまた今度みたいな。

そういうのはやっぱり便利だしトライ&エラーしやすいし、
工夫もできるし、良い面は多いと思うんです。

不可逆だから面白い

ところが、世の中には不可逆なこともありまして。
いや、ありましてというか、人生そのものが不可逆。
先にどんどん進むだけで戻ることはできない！

これにもやっぱり良い面があって、
その一瞬一瞬に集中して大事に事を進めるとか、
予想や妄想や脳内イメージが大事になったり、
不可逆だからこそのチャレンジとかね。

一旦スタートしたら自分の都合では戻れない、
終わりまでとにかく行くしかない、
途中のほんのちょっとのミスで台無し、
最後まで結果がどうなるか分からない。

そんな状況を経て得られる快感とか満足感ってのは、
やっぱり特別というか面白い。

人生とかそこまで大きな話じゃなくても、
日常の楽しみの中でも不可逆なものってやっぱり面白いなと思うわけです。
自分の場合は料理とかコーヒー焙煎ですね。
あれまさに不可逆の楽しみ。

つまり不可逆の体験ってのは、
取り返しがつかなくてめんどくさくて大変だから面白い。
または面白いことは大変ってことか。

大人になってから生活そのものが抜群に面白いことだと思えてきたのは、
やっぱり不可逆だからかな。