ミニマリズムとストア哲学と鶏口牛後

モノやお金や他人の期待・評価、社会の常識とかなんとか、
そういう外側のことは、自分じゃコントロールできないですよね。
だからなるだけ執着しない。に限る。

その一方で、暮らし方とか価値観、生き方の方向性みたいなものは、
自分で好きなように選べますよね。
だからこっちは限りなく大切にする。

それだけの線引きで、生き方ってずいぶん楽になるよなーっと、
長年生きてきて、というか歳をとるにつれてヒシヒシと感じるようになりまして。
今日はそんな話。

著者「オニマガさん」

この記事を書いた人:オニマガさん

名古屋の散歩案内とシンプルライフなブログ「オニマガ」を、2013年から平日毎日更新中(最高月48万PV)。家族で散歩して写真を撮ってブログを書いて自由にのんびり暮らしてます。中日新聞でも暮らしのコラム「のんびりシティライフ」を月イチ連載中。

社会人デビューと即脱落

この感覚にたどり着いたのは、最初の就職がきっかけで。
とりあえず大学生までは、ほんっと自由だったのが、
社会人になった瞬間、一気に景色が変わりますよね。
出勤時間も、働く場所も、仕事内容も、すべて外から決められる。
なんなら服装まで口を出されたりね。

就職して早々、
「ヤバい、このまま行くと自分の人生を完全に他人に預けることになる予感」
って、強烈に思ったことがあって(次の日も仕事なのに朝まで遊んでデニーズで打ち上げしてた時、そう今でも覚えてる高岳のデニーズですよ!)。
ただ単に「社会人ってやつに馴染めない!向いてない!」ってだけなんだけど、
結局一か月で新卒の会社は辞めちゃっいまして。完全ダメ人間。

これは世間的には「脱落」と言われるやつだけど、ワタクシ的にはスタート。
むしろその時に感じた強烈な逃げ出したい何かに従ったからこそ、
「自分の人生を自分でコントロールする自由だけは手放さない」
という決意が固まったような気がします。完全に若気の至りですね。

そういえばワタクシ、好きな言葉で「鶏口牛後」ってのがありまして。
中国の戦国時代の蘇秦っていう戦略考える人が言ったやつですね。
「秦の巨大な組織の力に従って末端(牛の尻尾)になるよりも、
小さな集団のリーダー(鶏の口)になったほうがいいぞ」、ってやつ。
2000年以上前の話。

自分はどうやら昔からそういう考え方に惹かれるみたい。
インディーズで音楽活動したり、DIYであれこれ作って売ったりとか、
まあ今もやってることは変わんないんだけど、
自分でやれることを自分でやるってのが根底にあるのかな。
基本、カウンターで逆張りで邪道で自由にってのが好き。

ミニマリズムと権内・権外

そんなこんなな20代、そして30代、
自分の人生の舵を握りたいと考えてきた流れで、
自然に出会ったのがミニマリズムでした。

モノを減らすと自由になれるってのは、これは理屈が先じゃなくて、
暮らしの中で実践・体感したことですね。
部屋を小さくして、持ち物を減らして、生活のコストを落とす。
いきなり仕事を辞めちゃってますからね、そうするしかなかったんだけど。
すると不思議なほど、選択肢が広がっていくんですよね。
嫌なことを我慢して続けなくてもいいし、誰かに何かに依存しなくてもいい。

自由になりたければ、モノを少なくするのがいちばん手っ取り早いな、
と気づいたんですね。つまり単なる方法論。
だからとにかく取捨選択を繰り返す。
合わないものは徹底的に排除、必要ないものはさっさと手放す。
そうやって余計なものを削ぎ落としていったら、
いつの間にかミニマリズムと呼ばれる暮らし方になっていって。

この取捨選択の時に役に立つのが「外側と内側」の線引き。

  • 外側(モノ・他人の期待・評価・社会の常識など)→ 自分でコントロールできないから執着しない
  • 内側(暮らし方・価値観・生き方の方向性など)→ 自分で選べるから大切にする
  • この切り分けが、生きやすさを大きく左右するなーっと。

    これは昔のローマ帝国のストア派ですよね。これも2000年くらい前の話。
    エピクテトスだっけ?「権内」「権外」ってやつ。
    外の出来事は変えられないけど、心の持ち方は変えられる、みたいな
    自分の権限の中にあるか外にあるかを考えて、ちゃんと分けろと。

    ミニマリズムとも完全にリンクしてるというか、
    不要なモノ(外側)を手放して、大事なもの(内側)に集中する、っていうね。

    鶏口牛後もだいたい同じですね。
    外側の大きな流れに飲み込まれるより、自分の手の届く範囲をきちんと選び取る、
    っていう。

    自分の手の届く範囲だけをコントロールする

    結局、ミニマリズムってのは単なるモノを減らすライフハックじゃなくて、
    「外側を手放して内側に集中する」っていう生き方そのものですよね。
    モノを減らすのも、この「権内・権外」を分ける感覚と同じ。
    持ち物が少なければ選択はシンプルになり、生活が小さければ身軽に動ける。
    余計なものを減らすからこそ、大事なものをしっかり握っていられる、みたいな。

    大きな枠組みや社会の常識に飲み込まれるよりも、
    小さな場であっても自分で舵を取る方がいい。
    ってのが自分的には自由を守る方法だったんだなーっと、
    気づいたのは何年も経ってからですけど。
    ミニマリズムとかストア派とかなんかしっくりくるなーってなって、
    いろんな本でいろんな人の実践や哲学を読んで、
    なるほどこういうことね、みたいな。

    外側は手放す、けど、内側は大切にする。
    この簡単なようで実はめちゃくちゃ難しい線引きを支えてる理論がミニマリズム。
    これずーっとそんな生き方しててもほんと難しくて、
    時々思い返したように本を読んでインプットしたり、
    こうやってブログとかにアウトプットして再確認したり、
    軌道修正をし続けないと、すぐ大きなものに巻かれちゃう。そんな現代。

    まとめ

    人生にはどうしても、自分ではどうにもならないことがありますよね。
    天気とか、他人の評価とか、健康とか、景気とか。
    そういうのにしがみつくと苦しくなるけど、手放しちゃったら楽になるのかなっと。

    ミニマリズムは、その決断を支えてくれるツールで、目的ではないですよね。
    モノが少なければ選択がシンプルになる。
    生活が小さければ、身軽に動ける。
    余計なものを減らすからこそ、大事なものだけに集中できる。
    それが自由。みたいなね。
    モノを減らすこと自体が目的になるとおかしくなっちゃうわけで。

    自分の人生を、自分でコントロールする。
    コントロール感と幸福度は連動するって研究結果もあるくらいだし、
    やっぱり大事かなー。
    その自由を守るために、余計な執着を手放していきたいなー、
    っていう考えすら執着しないようになれればさらに良いよな〜、まだ全然無理か、
    と思ったり思わなかったりする今日この頃。

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    Update:2025-11-13) by
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